羆嵐を読んでヒグマについて考えた

f:id:Umix:20200728175840j:plain

羆嵐(くまあらし)を読んでみた

ラジオ好きにはお馴染み「たまむすび」の赤江珠緒さんですが、彼女の愛読書という「羆嵐」を読んでみました。

さすが子供の頃からやんちゃだった赤江さん。愛読書として挙げる本も、女子アナとは思えない独特なチョイスです。

というわけで感想です。

小説「羆嵐」は、7人もの死亡者を出した、三毛別羆事件という実話がベースとなっています。北海道に開拓民としてやってきた人々が、次々とヒグマに殺されてしまう話なのですが、私は、ヒグマが人間を襲った時の残酷描写よりも、その狂暴なヒグマを退治した熊撃ち名人の仕事ぶりが印象に残りました。

熊撃ちのマタギが何を考えどう行動していたのか。。。今となってはご存命のマタギも少なく、当時のマタギ生活・狩りに関する資料も貴重になっていると思います。ノンフィクションにせよ、このようなマタギの話が残っているのは嬉しですし、読むことができて良かったです。

ちなみに、北海道には今でも熊撃ちを専業にされている方がいらっしゃるようですが、昔ながらの方法で狩りをされているわけでは無いようです。

ヒグマといえばムツゴロウさん

ちなみに、ヒグマといえば私が真っ先に思い出すのは何といってもムツゴロウさん。


ムツゴロウさんはその昔、ムツゴロウの動物王国という大人気テレビシリーズにしょっちゅう登場しており、多くの方は、「動物と仲良しの優しそうなおじさん」というイメージを持っていらっしゃると思います。私も同じような印象を持っていて、子供の頃に彼の著作を読んでみたのですが、実際に本を読んでみたところ、彼は決して平和主義・温和なおじさんなどではなく、超ハードボイルドな漢(オトコ)でした。
 
私は、動物王国シリーズが放映されている頃に、ムツゴロウさんの小説を読んだのですが、全身傷だらけ・ボロボロ満身創痍の状態で、動物に対峙しつつ、生きるために執筆活動を続けるムツゴロウさんと、テレビの朗らかなムツゴロウさんのギャップがあまりに大きく、非常にショックを受けたことを覚えています。人間を食い殺す可能性のあるヒグマの飼育を決め、飼っているヒグマに殺される覚悟で、ヒグマと命がけの触れ合いをしていたムツゴロウさんはやっぱりすごい。ヒグマに興味のある方、ムツゴロウさん好きは必見の名著だと思います。 
 
 
余談ですが、吉田豪さんとムツゴロウさんの対談は本当に名作中の名作なので、本当におススメです。海外で売春婦の子供とご飯を食べる話とか、麻雀で生活してたとか、ムツさんって無頼派。昔の作家っぽいというか、絶対に畳の上では死なない、という感じの凄みがあります。
この対談、あまりに面白いので、たまに読み返して元気もらってます。ムツさん最高。

 

matome.naver.jp

 

NHKスペシャル ヒグマと老漁師も面白い

ヒグマといえば、北海道知床には、ヒグマがうろうろする海で、ヒグマを横目に仕事をる漁師さんたちが居ます。熊よけの対策は、なんと「熊をにらみつけて叱る」というもの。
何十年にもわたり、ヒグマを叱り続けているので、その地域の熊たちは「あの漁師は怖い」と学習しているそうなのですが、怒るのに失敗した場合、人間は命が無くなりますから、これもすごい話だなと思います。人気の番組らしく、ちょくちょく再放送していますので機会があったら見てみてください。