ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー 観てきました

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コロナ感染拡大以降、ずっと行けて無かったミニシアターに行ってきた。今回お目当ての作品は「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」。町山智浩さん、佐久間宣行さんが絶賛していたので観に行ったのだが鑑賞後に調べてみたら、ライムスター宇多丸さんも絶賛していた。

この映画、以前から、ブラックリストとやらに載っていて、映画好きの中では大注目の映画だったらしく、映画館に行ってみると一席飛ばしで販売されている座席は殆ど完売。残りは数席しかない状態だった。私達(娘と一緒に行った)は切符を事前に購入せず20分前ぐらいに劇場へ行ったのだが、映画館に着いてみたら、以前ではやっていなかった、ウエブサイトによるオンライン座席指定チケット販売が始まっており一番前から2列が空いているのみだった・・・この映画のために早くから繁華街へ行き、アニメイトやそこらへんの店で何時間も時間をつぶしていたのに、危うく映画を見逃すところだった。

映画の感想

ガリ勉女子高校生が青春を取り戻そうと奔走するこの映画、102分という上演時間を全く感じさせないテンポの良さ・物語の展開で、正直かなり面白く、102分は体感45分ぐらい。あっという間に終わってしまった。わりと際どい下ネタもちりばめられているが、アメリカの青春映画なら、ある程度の下ネタは想定の範囲内。映像上いかがわしい表現はゼロなので小学6年女子ならギリギリOKと判断して途中退席はしなかった。ちなみに私が見た回の客層は私の年齢近辺かそれ以上の中年ばっか。ティーンをはるか昔に卒業し、都合の悪い思い出を適度にいい感じで忘れてしまったオジサンオバサンは、恋愛もキャリアも勉強も、これからが本番な伸びしろだらけの18歳ドタバタ劇を、微笑ましく、時には声をあげて笑いながら見ていた。しかし、実際に、七転八倒&四苦八苦まっさかりの現役18歳が見たら、微笑むどころか、胸が苦しくなる映画なのかもしれないな、ともふと思った。しかし、そんな七転八倒こそ若くてピチピチの20歳そこそこで経験すべきだし、若者の七転八倒は、当の本人は苦しくとも、やはり映画になる可愛さと美しさがあるわよね、とオバちゃんは思います。

 

家を出て一人暮らしをする大学生って普通?

この映画の公開は2019年。大学に合格した女のコ達が、卒業式直前のパーティーで同級生たちと打ち解け、それまで知らなかった彼らの一面を見た後、それぞれの大学へと旅立っていく、という話。これは、私にとって、自分の過去と重なりそれだけで非常に共感できる内容だった。私が十代だった頃、地方の中流家庭で育った子どもなら、18歳で家を出て都市部の大学に進学するという流れは、ごくごく普通のことだった。(いやもちろん当時から大学進学には多額の費用がかかったので、教育ローン使う家もいっぱいありましたが。)しかし、終身雇用が無くなり不況が続いた上で、さらにコロナ渦となった今、経済状態が安定している家庭は以前より減っているに違いなく、そんな中で大学進学で親元を離れて一人暮らしをする、というストーリーそのものが、最早、恵まれた子のエピソードとなってしまっているのかもなあ、と、ふと思ってしまう。今の子供たちにとって、この映画はリアテリティがあるのだろうか。主人公の置かれている立場に共感できるのだろうか。

今の高校生、卒業パーティーってどうしてるの?

あともう一つ、この映画を見て思ったのは「今の日本の高校生達、卒業打ち上げパーティーってどうしているんだろう?」ということだった。我々の頃は、ぶっちゃけ、高校生でも居酒屋で酒が飲めた。私はこの映画のモリーみたいにガリ勉体質だったので、モリーと同じく卒業パーティーにしか出ませんでしたが、他の子達は、やれ文化祭打ち上げだ、運動会打ち上げだと言って、良く飲み会をしてた。文化祭直後に、有志が誰かの家で酒盛りをし、親から学校に通報され、8割ぐらいの生徒が教室から数日間消えた(別室にて反省)こともある。こうやって書いていると懐かしい。高校の卒業パーティーはもちろん居酒屋でした。

でも今の高校生は居酒屋でもコンビニでもID要求されるから、お酒入手そのものが無理だと思われる。みんなでお酒無しでカラオケとか?気になりますね。