吹奏楽部でトランペットを吹いている子供に歯列矯正させても良いか

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この記事を書いた経緯

小学校の頃から矯正歯科に通い、睡眠時間中のみ、取り外し可能な顎を広げる器具を付けていた我が子。

かかりつけ医からは、「中学になったら本格的な矯正器具をつけましょう」と言われていたのですが、中学になってから入部した吹奏楽でトランペットを吹くことになってしまいました。

 そこで、トランペットと歯列矯正について、調べて考えてみました。

 

この記事のポイント

 

  • トランペットと歯列矯正は同時進行できます。
  • 歯列矯正により、トランペットの演奏は通常時よりは難しくなります。
  • 歯列矯正による具体的な影響:音質低下、高音が出にくい、口が痛い

私の歯列矯正経験

ちなみに親の私は、 トランペット=小学校時代 歯列矯正=高校時代  にそれぞれ経験済みです。したがって、トランペットと歯列矯正を同時にした経験はありません。歯列矯正の個人的な印象は、我慢できないほどではないが、地味に日々痛いし辛い。

  • 月1度、矯正歯科に行ってワイヤーを締めてもらった後、数日間は、歯がかなり痛く、ご飯が噛めない。
  • 矯正器具が唇や頬の裏にあたり、本当に日常的に口内炎ができる。
  • 見た目が圧倒的にイケてない。
  • 歯磨きがめんどう。

 

かかりつけ医のお話、および ウェブサイトで調べた結果

 というわけで、日本語と英語のサイトをググってみました。トランペットと矯正について世の中の意見は以下の2つに分かれていました。矯正歯科医の意見も同様にやはり2つに分かれています。

意見その1 (我が家のかかりつけ医はこちらの意見)

トランペットと歯列矯正は同時進行できるし、みんなやってるよ!
ちょっと大変だけど大丈夫!

 

意見その2

歯列矯正したら、やっぱりトランペットの音が出にくくなる。。
矯正始めた後、途中で矯正器具を外すことにした人も居るよ。。

 

歯列矯正しながらトランペット演奏することはできるらしいのですが、演奏の質については、歯列矯正をして無い時と同じ、というわけにはいかないようです。

結局のところ、トランペット練習と歯列矯正を同時進行するかどうかは、自分で判断して決断するしかないということになります。

トランペットしながら歯列矯正するべきか、を判断する方法

歯並びが健康や生活に影響を及ぼしている場合

まず、歯並びの状態が大変悪く、重度の虫歯の原因となっている、とか、発話に影響が出ている等、健康や生活に影響を及ぼしている場合は、やはり何を置いても歯列矯正を最優先すべきでしょう。

 

 歯並びが見た目の問題だけの場合

歯列矯正は社会人になってからでも、いつでもできます。
歯列矯正には
①顎を広げて隙間を作る
②歯を動かしてきれいに並べる
という2つの治療があります。
①は、成長期前の子どもにしかできない(成長してしまったらできない)ようですが、②は、大人になった社会人でもたくさんの人がやっています。
したがって治療を急ぐ必要はありません。

 

ではこれを踏まえて、歯列矯正を考えている本人に、歯列矯正と演奏についてどう考えているかを聞いてみましょう。

自分の歯並びがとても気になる。
演奏が難しくなっても、痛みがあっても、治療を今すぐしたい。

このように考えているようであれば、トランペットを吹いていても治療を開始して良いと思います。しかしトランペットの演奏が少し難しくなる、痛みもある、ということは事前にしっかり説明しておくべきだと思います。

歯列矯正による演奏への影響・痛みについて

歯列矯正にともなう、演奏のしにくさ、痛みについては、ヤマハさんがとても参考になる研究結果を公表しています。

 

www.yamaha-mf.or.jp

 

また、実際に矯正しながらトロンボーンを吹いている方より、Twitter で次のような情報を頂きました。

抜歯をするとそこから息が漏れてしまってマウスピースの中心部にフォーカスするのが難しいです。間違いなく高音は出にくくなるかと思います。(抜歯を)しないとしてもベルから出る音には空気の音が混ざって純度の高い音を出すのはかなり難しいと思います。とはいえ、練習をすればある程度のレベルまでは到達できます。あくまで僕の場合なので参考程度に考えていただければ嬉しいです。

コンクールでとにかく上手に弾きたい場合

お子さんが吹奏楽をとても頑張っていて

 

コンクールメンバーになりたい

コンクールでとにかく誰よりも上手に吹きたい

コンクールで上位入賞したい

コンクールで県大会以上に行きたい

1stトランペットを担当したい

 

ということであれば、矯正器具をつけながら長時間の練習は痛みを伴いますし、思うように音を出すことが困難になるので、矯正は引退後に先送りしても良いのではないかと思います。思春期で体や心が著しく成長し不安定な時期に、吹奏楽と学業を両立するだけでも大変ですので、この状況で歯列矯正を始めるべきかどうかは、しっかり考える必要があるかと思います。

 

矯正歯科さんのブログによると、矯正開始後に、矯正器具のせいで楽器がうまく吹けないということで正治療を中止したいと申し出る患者さん(親御さん)も多いそうです。

 

歯列矯正するなら早い方が良い」と早々に結論を出さず、お子さんとよく話し合って結論を出すことが大切かと思います。

吹奏楽部に入部する時点で、歯列矯正についても考えておこう

歯列矯正について考えている場合は、吹奏楽部に入った段階で、楽器が決まる前に顧問の先生に矯正について相談しておくことはとても大切です。矯正をしたい場合、あらかじめ顧問の先生と相談し、矯正の影響が無いパーカッションにしてもらう、という方法もあります。

 

歯列矯正をしながらトランペットをやる、と決めた場合は、こんなプロテクターもあります。ヤマハさんの研究でも、痛み軽減に効果があるというエビデンスが出ていますので積極的に使っていただくと良いと思います。