岡村隆史の女性蔑視発言について思ったこと

岡村隆史の女性蔑視発言と、相方矢部さんの公開説教について、思ったことを記録しておきます。

彼は何と言ったのか

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端的に言うと「コロナ騒動のせいで、普段なら風俗という仕事を選択しない女性達、しかも美しい女性達が、経済的に苦しくなり、どうしてもやむを得ず、短期間でお金を稼ぐ稼ぐために風俗で働く可能性がある。そしてそれは客である自分にとって嬉しく楽しみなことである。」という趣旨の発言をし大炎上となりました。

この発言はそもそも何が悪いのか

喋りのプロでありながら、公共の電波で、女性を傷つけ不快にさせるような非道徳的な発言=PC(ポリティカルコレクトネス)に反する発言をしてしまった、ということに尽きると思います。

岡村さんがこのような発言をしてしまった背景

年を取って偉くなった結果、誰も岡村さんを批判しなくなった

矢部さんの公開説教によると、岡村さんは、近年、相方である矢部さんを含め、周囲の方に対する、配慮や感謝が、著しく欠けていたそうです。矢部さんはこれがとても気になり、岡村さんを嫌いにならないように、ある時期から楽屋を別にしたとのことでした。そして、年をとって偉くなりすぎた岡村さんに対し、このような言動を注意してくれる人は周りに居なくなったのです。ああ、年を取るって本当に怖い!そういえば、アラフィフ女子のジェーンスーさんや堀井美香さんも、ラジオで「最近誰からも怒られなくなった」と言ってました。年を取るってことは、誰も自分の軌道修正をしてくれなくなる・自分の軌道修正は自分しかできないということなのです。私も年を重ねる中で、この事実は薄々わかっていましたが、この事件を通して改めて誰も注意してくれなくなることの怖さを再認識しました。

これまで女性と深い関係を築いてこなかった

また、矢部さんによると、岡村さんは女性にコンプレックスがあり、これまで付き合った女性は居たものの、どなたかと、結婚を考えるような深い関係を築いて来なかったそうです。同じ部活の後輩だった矢部さんは、恐らく岡村さんがコンプレックスを抱くきっかけとなった具体的なエピソードをいくつも知っているのでしょう。岡村さんは女性との様々な経験を経て、女性に強いコンプレックスを抱くようになり、結局、女性と精神的な距離を取るようになったようです。女性と精神的な距離を取るということは、相手の女性がどう考えているのか、喜んでいるのか悲しんでいるのか、女性の気持ちや心に寄り添うのをやめることです。岡村さんが女性との関係で悩んだり傷ついたりしながら、最終的に導きだした、彼なりの生き方は、あまりにも孤独で悲しいものだと言えます。

もちろん、プロである以上、過去にいかなる個人的な背景や事情があったとしても、 女性を深く傷つける非道徳的な発言を、公共の場でするのは決して許されることではありません。

深夜のラジオが「無礼講」ではなくなった

岡村さんは20年間オールナイトニッポンを続けてきたそうですが、この20~30年で深夜放送・ラジオの状況もずいぶん変わりました。(私は小学生の頃からラジオっ子です。) 昔、深夜ラジオは基本的に録音の残らない一度きりの言いっぱなし放送で、「そこそこキワドイことも言ってOKな、仲間通しの内輪駄話」的な傾向が強かったと思います。そしてそこが一番面白かった。たとえ何か差別的だったり卑猥な発言があったとしても、今のようにメディアで取り上げられて炎上する確率は低かったように思います。今はラジコのタイムフリーなどで、多くのラジオ放送はアーカイブされ、いつでも誰でも聞き直せる状態にあります。昔と同じノリで、「深夜放送で馴染みのリスナーばかりだし、生放送だから」と気を抜いて、リスナーのウケを狙うために風俗の話をできるような時代では無い、ということだと思います。

で、ここからが私見

結婚により女性への無理解問題は解消されるのか

矢部さんは、岡村さんの女性コンプレックス問題について、解決方法として「結婚してはどうか」と提案していました。もちろん矢部さん指摘の通り、結婚は一つの解決策として正しい。これは自分の経験からも言えますが、誰かと結婚し、子育てという重労働を夫婦で協力して遂行した場合、夫婦のお互いに対する理解は格段に深まると思います。岡村さんが以前「妊娠してますのバッチって必要?」と言ってしまったような、女性についての基礎知識が欠けてる男性も、結婚によって多くを学ぶことができるでしょう。(もちろん女性側もしかり。)

しかし、では逆に、結婚すれば、男女間の無理解が解消されるかというと、そうでも無いような気がする。やっぱり結婚して何年経っても、旦那の考えてること全てに共感・理解はできないし、旦那も同じだと思います。結婚はやっぱりすべてを解決する万能薬では無いのです。

また、一方、岡村さんにしたら、自分が女性コンプレックスを抱いた、元々の原因は、(自分と関わってきた)女性たちにあるわけで、自分をさんざん傷つけてきた女性たちに、何故今更自分から歩み寄らねばならないのか、という気持ちもあるのではないでしょうか?私は偶然が重なり奇跡的に既婚者になった女ですが、恋愛偏差値はかなり低く、精神的な立ち位置は岡村さんに近いです。もし自分が独身のまま歳を重ねた後、若い頃からモテモテだった後輩に「結婚すれば」と言われてもやっぱり素直には受け入れられないよなあと思います。若い頃からモテモテの貴方には私の気持ちなんて分らんよ。。

職業に貴賤は無く風俗も立派な職業だ

私自身は風俗に行ったことは無いし、多分一生行かないと思うけど、風俗という職業や職業人を蔑むことは絶対にしたくない。風俗以外に、まとまったお金を稼ぐことのできる仕事が無く、やむなく風俗で働いている方も少なくないと思いますが、自らその仕事を選び、プロ意識を持って働いている方も居ることでしょう。どんな職業にも敬意を持つ人でありたいなあと思います。